アルミは寸法精度を厳しくすれば良いか?それだけではありません。
数値に現れない残留応力が蓄積されたままですと、加工歪みが発生してしまい、精度云々どころではなくなってしまいます。 山川工業の引抜管製造技術は、精度はもちろん、熱処理に対しても熟慮した考え方を頑なに守っている事に他なりません。 引抜加工の要は、良い母材(=以降、素管といいます)、最適な加工率、抽伸油類、そして丁寧な熱処理です。 素管については、当社からの厳しい要求に対応できる国内大手軽圧メーカーから仕入れております。 残留応力を大きくさせないためにも、最適加工率にこだわり、素管の数は業界最多です。これを季節によって、粘度の異なる抽伸油を使い分けます。 さらに、コンピューター制御式ガス炉で、設定温度まで上昇させてから、設定時間のカウントをし、十分な残留応力軽減などの熱処理を確実に実施いたします。
70年の社歴で蓄積されたノウハウを用いた提案力
単にアルミ管と言ってもの用途は多種多様。山川工業は、用途に応じた引抜加工に対応します。
曲がり精度を要求される製品の場合、引抜いた管の中央部の最も曲り精度の高い製品部分を積極的に使用します。もちろん長さ100mm以上~5,700mmまでの物であれば、お客様ご指定の長さで社内切断が可能です。
光学(カメラ部品)用途等、精密機器部品での様々な種類の外径・肉厚が必要とされ、より高精度を求められる製品では、少しでもお客様での加工工程を減らせる様、真円度等に注意し、余分な外力をかけない工程を組みます。また、お客様で短尺切断される製品については、お客様の歩留がなるべく良くなる様、長さを調整して出荷します。切断時、無駄なくご使用いただけます。
美観が重要であれば、美観に適する素材を提案し、熟練のオペレーターが素材傷を最小限に抑え、アルマイト作業のスムーズな工程に対応できます。(用途によっては、当社の肌を生かし、表面傷の除去工程を省く事が可能となる事もあります。)
アンテナ部材の様に屋外で使用され、繰り返し風にさらされる様な部材には、腰の強い合金の使用、また焼き戻しによる人工時効硬化(強度増)の提案で対応できます。また、引抜管ならではの高精度な寸法の仕上りにより、パイプ同士のスムーズな嵌め合わせを実現します。
豊富な合金とオールマイティなアイテム
長尺材8Mまでの焼鈍炉は業界最大 配管など何本もの中・短尺パイプをつなぎ合わせる手間を軽減。
調質はH、H34、H32、O、T3、T8、特別設定 貴金属である純銀管の引き抜きは、現在では弊社唯一 最小径Φ25~最大径Φ183まで、ほとんどのサイズの引き抜きが可能です。
半端寸法など特注寸法に強い
当社の引抜工具は業界でも屈指の種類を保有しております。
当然の事ながら、工具は使用しているうちに摩耗をしてしまいます。当社では、この摩耗した工具を廃棄ではなく、修正し、半端寸法の工具として保有管理することで可能となっております。 さらに、お客様のご要求に応えるべく、ご希望の半端寸法工具を製作することも積極的に実施しています。